【実例】5人のフルリモート零細企業の成長過程です。成功/失敗をすべて公開【経理/事務/マーケティング視点】

【実例】5人のフルリモート零細企業の成長過程です。成功/失敗をすべて公開【経理/事務/マーケティング視点】

どうも、元フリーランスのだいち(@spountant)です。

ベンチャー企業(零細企業)を成長させていくためのコツや、経理や事務で気をつけておくべきことを知りたい……

そんな人に向けた記事を書いていこうと思う(本当は自分が備忘録として残しておきたいだけ)。

弊社は元々フリーランスだった5人が集まった零細企業なのだが、そこで自分は「経理」と「マーケティング」を担当している。

そして時間が経つに連れて、以下のような壁にぶつかった。

ぶつかった壁…

  • 株式会社ならではの事務手続きが分からない……
  • 待って保険料高すぎ……
  • キャッシュフローがピンチ……
  • 事業を拡大していくためのマーケティング施策が分からない……

今では上記のような壁は乗り越えてきたので、どうぜだったらその過程をすべて当記事に残し、同じように悩んでいる人の解決の糸口になればと思っている。

 

目次

1ヵ月目(2019/07)

201907jmatsuzaki株式会社ドキュメンタリー

フリーランスから正社員への手続き

これまでずっと一緒に働いてきた友人jMatsuzakiらと、一緒に会社をやることになった。時系列は以下のとおり。

入社までの流れ

会社が設立されたときも一緒に同じ事業を回していたので、自分もほぼ創業メンバーだ。

フリーランスから正社員へ戻るときの、健康保険や年金の変更手続きは以下の記事にまとめた。

関連記事:フリーランスから会社員へ戻るときの健康保険や年金の変更手続きまとめ

 

初めて社員を雇うときに経理・事務がやること

初めて社員を雇うときの法律はいくつかあるが、自分で調べても漏れがあったりするのが怖い……

弊社が行ったことは以下にすべて列挙した。

社員を雇ったときすべきこと

  • 雇用契約書の作成
  • 法廷三帳簿の作成・保存
  • 源泉徴収票の作成

ちなみにこれらの資料は、すべて社内限定のGoogleドライブに保存してある。

それぞれ詳しく確認していこう。

 

雇用契約書の作成

まず社員を雇ったっときは、雇用契約書を作成する。

これは働く際のルールを合意するだけなので、そんなに労力はかからないだろう。

参考記事:雇用契約書とは? 労働条件通知書との違いは? 記入例(見本)パート・派遣の注意点

 

法廷三帳簿の作成・保存

人を雇ったときに必ずそろえなければならない3つの帳簿のことを「法廷三帳簿」と言ったりするらしい。

それぞれの詳細を知りたい場合は、自分が調べた際に参照したサイトを載せてあるので、上記のリンク先を見ていってほしい。

 

源泉徴収票の作成

源泉徴収票の作成は、1年に1回、年末調整が終わってから作成する。

経理として年末調整に何をすべきか知りたい場合は、以下の記事を読んでみてほしい。

参考記事:年末調整とは ~経理のナレッジポータル

源泉徴収票は社員にだけでなく、税務署や都道府県にも1/31までに提出する必要がある。

弊社の場合は、税理士さんが代わりに提出してくれたので、税理士さんにも確認してみよう。

 

2ヵ月目(2019/08)

201908jmatsuzaki株式会社ドキュメンタリー

全員フリーランス上がり、完全リモートワーク会社の働き方

弊社は完全リモートワークで仕事をしている会社で、以下が事業一覧だ。

事業一覧

  • ブログやTwitter、YouTubeなどのメディア運営
  • タスク管理ツール「TaskChute Cloud」の運営
  • オンラインコミュニティ「ライフエンジン」の運営
  • ブログ・SNSコンサルティング
  • セミナー事業

参考:jMatsuzaki株式会社の会社概要

ほぼすべての事業がオンラインで完結するので、基本的に話すのはミーティングのときだけ。

ミーティングは都度セッティングするのだが、役割ごとに以下のようなミーティングを行っている。

ミーティング一覧

  • 週次定例ミーティング:今週行ったこと、来週の計画を共有する
  • 週次YouTubeミーティング:何を撮影するか、方針などを決定する
  • 週次作業会:いっしょに作業をする
  • 月次キャッシュフロー確認会:経理状況を共有する
  • 月次ガバナンスミーティング:各自の役割や、仕事における優先順位を共有する

このようなミーティングを行い、お互いに情報を共有している。

弊社は「初のフルリモートのティール組織」として運営されているのが特徴的な点だと思う。

ティール組織は馴染みのないことばかもしれないが、それは以下のような特徴を持つ組織を指す。

ティール組織の特徴

  • だれもが強い権限を持つが、だれがだれに対しても権力を行使できる立場にない(セルフマネジメント)
  • 仕事とプライベートを分離させず、だれもが本来の自分で職場に来ることができる(ホールネス)
  • 組織自体を”生きている生命体”と捉える(存在目的)

このように、弊社は公私混同で、誰もが強い権限を持っている組織だという実感がある。

ティール組織については以下の記事にまとめたので、詳しくは知りたいときはこちらを見てほしい。

関連記事:ティール組織とは何か。マネジメントが不要な組織の特徴をまとめた

 

フリーランス集団の会社の勤怠管理はどうすればいいか

会社は働いている人の勤務時間を把握しなければならず、完全フリーの勤務時間というのは許されていない。

ではフリーランス上がりの集団のように、実質的に勤務時間が決まっていない場合、どのように勤怠管理をすればいいか。

弊社では「みなし労働時間制」を採用している。

これは実際の労働時間を把握するのがむずかしいときのための制度だ。

詳細を知りたい場合、自分は以下の記事はわかりやすいと感じた。

参考記事:導入する前に基本を知っておきたい!みなし労働時間制とは

 

3ヵ月目(2019/09)

201909jmatsuzaki株式会社ドキュメンタリー

ベンチャー企業の経理としてやっていること

ベンチャー企業(零細企業)での経理はどのようなことを行っているのか。

ザっとピックアップすると以下のとおり。

経理で行っている業務

  • 請求書の発行 / 回収業務
  • マネーフォワードの仕訳
  • キャッシュフロー計算書の作成
  • 給与明細の作成

自分は公認会計士試験に合格しているので(ドヤ顔)、ある程度仕訳ができるのがラッキーだった。仕訳を一から勉強するのは大変すぎる。。

マネーフォワード上では収益と費用の計算を行うことができるが、実際の現金の流れは別途キャッシュフロー計算書を作成している。

ひな形は以下の記事にあるものをそのまんま採用しているので、参考にしてほしい。

関連記事:Excelでキャッシュフロー計算書のひな形を作る方法は簡単【個人事業主】

そして毎月忘れずに役員・社員に給与明細を発行しよう。面倒だがこれもまた義務である……

 

4ヵ月目(2019/10)

201910jmatsuzaki株式会社ドキュメンタリー

社員の保険料が高すぎて会社のキャッシュフローがヤバくなる……

いわゆる一般企業に就職して営業職をしていたときは知らなかった。保険料がこんなに高いとは……

社員4人分の社会保険料で、もう一人の社員を雇えるくらいには保険料が出ていく。

入社した当初はそんなインパクトが大きいとは分からず、3か月後になって「これヤバくないか……?」と感じ始めた。

このままいくとキャッシュが底をついてしまうので、利益改善計画を実行することに。

利益改善計画で行ったこと

  • 保険料を下げる(給料を下げる)
  • 業務委託の停止(人件費削減)
  • 通信費の削減
  • サービス料金の値上げ(売上アップ)

給料を下げるといっても、これまで「全額給与」だったのを、同じ額で「給与+経費清算」にして、形式的に給与を下げた(税理士さん・社労士さんに確認済み)。

こうしてキャッシュが底をつくのを防ぐことができた。一時はどうなることかと……

 

個人で使った経費を会社に申請する手順を仕組み化

前述のとおり、これまではフリーランスとして個人で経費計上していたものも、会社の経費として計上する仕組みを整えなければならない。

弊社では、各自スプレッドシートに費目(交際費、備品など)別にまとめる形式を採用した。

ただ交通費だけはほかのスプレッドシートを作って、行き先や目的、料金などを入力している。

それらのシートをもとに、給料日と同じタイミングで精算し、同時にマネーフォワード上で仕訳をする。

仕訳のイメージは以下のとおりなので、参考までに。

給与××  / 普通預金 ××
交通費××
交際費××

 

5ヵ月目(2019/11)

201911jmatsuzaki株式会社ドキュメンタリー

企業としてビジネスYouTubeに本格参入~準備開始~

弊社はTwitterやブログなど、情報発信を主軸に事業を大きくしてきたので、YouTubeの波に乗らないわけにはいかない。

語り手はjMatsuzakiF太の2人。編集は自分を含めた3人。市場調査などのマーケティング全般は自分が担当。

YouTube参入を決めた一番の理由は、既存事業とのレバレッジが大きくかかるためだ。

年明け(2020/01)から本格的に開始できるように、この月から準備を始める。

 

6ヵ月目(2019/12)

201912jmatsuzaki株式会社ドキュメンタリー

経理としての初めての決算月でハゲそう……

弊社は10月決算なので、12月中にはすべての仕訳を終え、財務諸表を締める必要がある。

さらに年末調整もこの時期に行う。

経理として年末調整では何をしなければいけないかというと、ざっくり以下のとおり。

経理が年末調整でするべきこと

  • 確定申告をしない社員の所得税を計算する(代わりに確定申告の計算をするイメージ)
  • 給与支払い時の源泉所得税額の合計と、納めるべき所得税とを比べる
  • だいたいの場合、源泉所得税額のほうが多いので、過納付額を本人に還付する

年末調整の計算の仕方は、以下の記事がとても分かりやすい。

参考記事:年末調整の計算方法|具体例を挙げて解説

経理の仕組みがぜんぜん整っていなかったので、めちゃくちゃ大変でハゲそうだった……

 

7ヵ月目(2020/01)

202001jmatsuzaki株式会社ドキュメンタリー

YouTube毎日更新100日チャレンジ開始

かねてより準備をしていた、YouTube毎日更新チャレンジが始まった。

1月1日から4月10日まで、100日間毎日動画を投稿してどこまでチャンネル登録者数が伸びるのか。

YouTubeがチャネルのひとつとして機能するのであれば、他のプロダクトとも大いにレバレッジが利くので、ここは頑張りどころ。

参考記事:2020年1月1日よりYoutube「jMatsuzaki株式会社」を本格始動します!

 

8ヵ月目(2020/02)

202002jmatsuzaki株式会社ドキュメンタリー

固定費をサブスクリプションだけで賄えると、会社は安定する

4か月前(2019/10)にキャッシュフローが一時的にヤバいのではないか……となったが、この月になってだいぶキャッシュフローが安定してきた。

弊社はサブスクリプション(月額課金)のサービスが多い。

なので固定費を下げて、サブスクリプションの収入だけで固定費を賄えるとかなり安定する。

そこにプラスで単発のコンサルやセミナーを実施できると、キャッシュフローの状態はかなり良くなる。

労働集約型からサブスクリプションや非労働集約型へ。

労働集約型は時間という制約が課せられる以上、事業を大きくしていくときにはまず”脱労働集約“を目指すのが基本だろう。

 

9ヵ月目(2020/03)

元々フルリモートなので、コロナによる事業の影響がほとんどない

この時期、コロナウイルス(COVID19)が流行り始めた。

弊社は取締役たちがベルリンにいることもあり、元々フルリモートで働いていたので、働き方はあまり変わらず。

事業内容もオンラインで完結するものがほとんどなので、収入が減ることはなく、むしろ増えたくらいだ。

会社として今回のようなブラックスワンが訪れたとき、最悪のケースを想定してリスクヘッジをしておくべきだろう。

  • 社員の誰かがコロナにかかったらどうするのか
  • 社員の同居人がコロナにかかったらどうするのか
  • 事業パートナーが大打撃を受けたらどうするのか

実際、自分でこれらを考えてみたことはあったが、できることは個人で手洗いうがいをするくらいだし、もしひとりが1か月間働けなくなっても、事業的にはほぼ問題なく回る。

事業パートナーも似たような事業構成なので、大きな打撃を受けることも考えづらい。

これらのことから、あまり社として対策は打たなかった。対策といえば個人的に外出を自粛したくらいだった。

 

10ヵ月目(2020/04)

書籍「要領が良くないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」を出版

弊社のメンバーひらめきメモのF太(@fta7)が本を出版した。

関連記事:タスク管理のおすすめ入門書はまずはこの本。「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」の感想【書評】

ビジネスの観点から見ると、本の印税もけっこうすごいのだが、外部との接点を増やす効果がとてつもなく大きい。

本経由でF太のことを知ったという人がけっこういて、「あれだけTwitterのフォロワーがいても、まだまだ知らない人はいるんだなぁ……」という当たり前のことに気づいた。

また「ビジネス書の著者」という肩書を使えるのでそれを権威にできたり、出版社経由で大手企業から仕事のオファーが来たり。

印税以外の効果がかなりデカいなという印象だ。

 

11ヵ月目(2020/05)

運用中プロダクトのスマホベータ版をリリース

弊社では一日のタスクリストを作成できるタスク管理ツールTaskChute Cloud」(月額486円)を開発・運用している。

関連記事:タスクシュート時間術がよく分かる5つの特徴

元々PC版が中心だったのだが、この月にスマホ専用の画面をリリースした。

弊社の中心事業であり、サブスクリプションモデルなので、ユーザー数が伸びれば伸びるほど会社のキャッシュフローが安定してくる。

基本方針として、ブログもYouTubeもTwitterも、あらゆるチャネルから自社のプロダクトへ誘導しユーザー数を増やす。

同時にプロダクトの改善も行い、ユーザーに満足し続けてもらう。

弊社は、愚直にこれを繰り返す「小単価×大人数」のビジネスモデルだ。

 

運用中オンラインコミュニティの運営体制を一新

タスク管理ツールのほかに、オンラインコミュニティ「ライフエンジン」も運営している。

これまでは4人で運営していたが、この月に運営体制を一新。自分ひとりが運営となり、他の3人は退くことになった。

この変更によって大きな(中には思いもよらぬ)収穫を得られたのだが、それが以下の3つだ。

運営体制の一新で得られたもの

  • 他の事業に力を割ける
  • 責任感と推進力が増す
  • 断つ意思決定ができるようになる

まず他の3人のメンバーが他の事業に力を注げるようになった。

時間が空くことは狙い通りだったが、想像以上に他の事業の推進力が上がっている。これは嬉しい誤算だ。

また自分がひとりになることで、ライフエンジン事業に対する責任感と推進力が生まれた。

その結果として、意思決定のスピードが上がっている。人数が少なくなったことで意思決定のプロセスがコンパクトになったのだ。

また「断つ意思決定」ができるようになったのも大きい。

これまでは4人だからこそキャパが広く、いろいろなことを引き入れ、受け入れてきたが、ひとりではそうはいかない。

ひとりになったからこそ、本当に重要なものにだけ力を注げるようになった。

上記からいえる教訓は、複数人で運営していたプロダクトやサービスを誰かひとりに任せると、思いもよらぬ収穫が得られるということだろう。

 

12ヵ月目(2020/06)

法人消費税の支払いが来たかと思いヒヤヒヤする……

弊社は今期、設立3年目だったので、消費税の支払いに非常にヒヤヒヤした……(弊社の設立は2017年10月。自分が加入したのは12か月前)

消費税は前々期の売上が1,000万円を超えていれば課税事業者、下回っていれば免税事業者となる。

1年目と2年目は前々期が存在しないので、自動的に免税事業者となるが、もし1年目に売上が1,000万円を超えていれば、3年目からは課税事業者となり、消費税の支払い義務が生じる。

弊社は今期で3年目。ザっと計算してみたら消費税の支払いが100万円ほど……

急に巨額なキャッシュアウトが迫ってきて焦りに焦る。

のちに1年目の売上が1,000万円を超えていなかったことが判明し、杞憂だったことに一同ホッとした。

だが来年は課税事業者なので、あらかじめキャッシュアウトに備えて準備をしておかねばならない。

 

経費の計上基準を税理士さんに確認

これまでもある程度ちゃんと経費計上をしていたのだが、あらためて税理士さんに経費計上について教えてもらった。

仕事とプライベートで按分するときにとにかく大事なのは、合理的な計算式であることらしい。

合理的であろう計算式

  • Wi-Fi:1週間のうち平日は仕事に使っているということで、7分の5(71.4%)で計上。
  • 家賃(家で仕事をしている):間取り按分=19.87%
  • 水道費:間取り按分19.87% × 5/7d × 8/24h=4.73%
家賃按分の根拠

こんな感じで、とにかく合理的に、税務調査のときに説明できるようにしておくことが重要ということだった。

 

支出の3か月分を貯金しようと決意

「急なキャッシュアウト怖いね……」ということで、税理士さんにいくら貯金しておけばいいのかを尋ねてみた。

基本的には支出の3か月分ということだ。

「何かしらによってある事業がつぶれてしまったとしても、3か月あれば持ち直せるだろう」という考え方らしい。

なのでまず直近の目標は、「支出3か月分の貯金」となった。

がんばる。

 

我々の奮闘は2年目に続く……

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