オンラインコミュニティの質が担保される仕組みを考える

ちきりんさんのVoicy「2021/1/31 #119 制限方法の模索は続く」を聴いた。そこから内省したことを書き留めていきたい。

以前から頭の片隅にはあったが実行できていなかったことがある。それが現在運営しているオンラインコミュニティ「ライフエンジン」における、入会前のお互いのすり合わせだ。

価値観の不一致をなくすために、入会前にお互いにお互いのことを知れる機会があったほうがいいなと思っており、このページではそのことについて書いていく。

コミュニティの質を担保するためには何が必要か

コミュニティの質を担保するためには、価値観の不一致を防ぐことが何よりも重要だと思う。これをひっくり返すと、価値観の近い人たちが集まることで、そこは居心地の良い空間になる。

今、自分が仲良くさせてもらっている人たちの顔を思い浮かべてみたところ、価値観が近いことだけは共通していた。

  • 大学でたまたまクラスが一緒になって、価値観が近かったからつるむようになった人
  • インターンでたまたま知り合い、価値観が近かったからルームシェアをするようになった人
  • オンラインコミュニティ上で出会い、価値観が近かったから一緒に仕事をするようになり遊ぶようになった人

大学、インターン、オンラインコミュニティと、その場に集まろうと思うこと自体である程度価値観は似通っているのだろうが、その中でも仲良くなる深度には差が出てくる。その違いはやはりもう少し深いところで価値観が一致しているかどうかだと思う。

自分と価値観が違う人は、たとえば他者を出し抜こうとする人、常に他責な人、怒りを振りかざす人。このような人たちと仲良くなることはまずないだろう。

入会後に価値観の不一致に対処するのは極めて困難である

コミュニティの質を担保するために、価値観が近い人たちを集めることが重要で、そのためには価値観の不一致に対処しなければならない。

この対処は、事前の対処が効果的だ。逆に事後の対処はかなり難しい。

すでにオンラインコミュニティに入会した人で、価値感が合わなかった人がいたとする。その人はなんとかして周りと仲良くなりたいと思うかもしれないが、たぶん他のコミュニティにいったほうがお互いに幸せになれる、そういうケースだとしよう。その価値観の不一致を感じたときに、本人に直接伝えるのはとても胆力のいることだし、伝えたところで本人が納得しないことも十分に考えられる。とはいえ強制退会を実行しても敵を作るだけ。取れる選択肢は、1/丹念に話し合う、2/自然退会を待つ、のどちらかになるだろう。いずれにせよ難易度は高い。

他のアイデアとして、参加者同士で360度評価を実施し、マイナス評価が一定貯まったらBANされる仕組みを導入する案を考えてみる。みんながあなたとは合わないと言っているよ、ということを可視化する案だ。これはちょっと考えてみただけですぐに「コミュニティとして健全ではないな」という気がした。コミュニティ内に不信感が走り、各自の行動が抑制されることになりかねない。

このように考えてみた結果、入会を許したのであれば、もうその人の存在はある程度許容するしかないだろう。

入り口でお互いのことを開示する機会を作る

入会後の対処が難しいからこそ、入り口で価値感の不一致に対処する必要がある。具体的な案の一つは、入り口でお互いのことを知り合える機会を作ることだ。

企業の採用活動は、企業が私たちはこういう会社ですよと開示し、就職希望者も私はこういう人間ですよと開示する。フェアで価値観の不一致が起こりにくい方法だと思う。企業だってコミュニティと同じで入職後にクビにするのは不可能に近いので、入り口でしっかりと価値観の不一致をケアしている。

企業とオンラインコミュニティの違いは、企業は目的に沿って最適な人/人数を最適に配置したいというニーズに対し、オンラインコミュニティは人はできるだけ増やしたいというニーズがあることではないだろうか。

両者とも価値観の一致は求めるものの、前者はスキルの一致なども必要になる。

一方、後者はスキルの一致を求めない代わりに、より多くの人に広げたいニーズが強い。広げたいと思ったときに、入会のハードルを高くしすぎると広げるのが難しくなってしまう。とはいえ入会のハードルが低すぎると、価値観の不一致を予防できない。「広げたいニーズ」と「価値観の不一致の度合い」がトレードオフになっている。このバランスがもっとも難しい。

現在のライフエンジンは入会のハードルがないに等しいので、今後は最低限のハードルを設ける必要があると考えている。コミュニティの質を担保するために、入会後の対処が難しいのであれば、入り口を上手く設計する努力をする。

現段階では、事前にお互いがお互いのことを知り合える機会を設けるのが良いと思っている。参加してもらう前に相手のことを知る機会を設ける。こちらも事前説明会を行い、できる限りの開示を行う。

オンラインコミュニティはサービスとしての側面と、組織としての側面がある。サービスとしての提供者側とお客様という関係はもちろんあるのだが、基本的なスタンスは組織としての側面だ。これは何かを提供してあげるというよりは、一緒に創り上げていくというスタンスである。オンラインコミュニティは一方的なサービスではなく、お互いのすり合わせによって作り上げていくものだ。

お互いに知り合う機会を設けた後に入会してもらう。そうすることで期待に沿わないことが少なくなり、コミュニティの文化も伝えられるので、コミュニティの質がある程度担保されるのではないか。

(※口調が強かった気がするので編集しました:2021/2/5 14:10)

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