ティール組織の存在目的とは何か。できるだけわかりやすく解説してみた

ティール組織の存在目的とは何か。できるだけわかりやすく解説してみた

どうも、ティール組織を実践している組織の社員だいち(@spountant)です。

ティール組織は、マズローの欲求段階説でいう「自己実現の欲求」に相当する組織だ。

ティール組織が成り立つ条件のひとつとして、「存在目的」の重要性が語られている。

このページでは存在目的とは何か、存在目的に耳を傾けるとどういう効果があり、どうすれば発見できるのか、それらを詳しく紹介していく。

 

ティール組織の存在目的とは

旧来型の組織では、組織の比喩を「機械」と表現したり、もしくは「家族」と表現したりする。

一方ティール組織では、組織の比喩表現として「生命体」という言葉が用いられる。

ティール組織はそれ自身の生命と方向感を持っていると見られている。組織のメンバーは将来を予言し、統制しようとするのではなく、組織が将来どうなりたいのか、どのように目的を達成したいのかに耳を傾け、理解する場に招かれる。

ティール組織 p.92

ティール組織では、組織自身が自らの情熱を持ち、自らが何者かを認識し、自らの方向感覚をもった存在としてとらえられるのだ。

それはまさに「生命体」で、組織にも命が宿っているという考え方をする。

 

そしてティール組織の存在目的とは「組織自身の生きる目的」だといいかえることができるだろう。

この組織は何のために生を受けているのか?

この問いに対する答えが、きっとその組織の存在目的となる。

 

存在目的に耳を傾けるとどういう効果を得られるのか

存在目的に耳を傾ける慣習によって、経済的利益を最優先するのではなく、社会への貢献を最優先に意思決定ができるようになるだろう。

ティール組織では、利益は空気みたいなものだととらえられている。

空気がなければ生きてはいけないが、呼吸をするために生きているわけではない。

「この組織は何のために生を受けているのか?」の答えに対して、組織と我々で一丸となって向かっていくのだ。

存在目的に耳を傾けることで、エゴのためではなく、存在目的を成し遂げるために行動できるようになる。

 

実際のティール組織から見る存在目的の事例

ここで存在目的に耳を傾けている「ビュートゾルフ」社の事例を見てみよう。

オランダ語で「地域看護」という意味のビュートゾルフの存在目的は、「病気の人や高齢者に自主的な、意義のある生活を送ってもらうこと」だ。

ほんとうに存在目的に耳を傾けているとき、「競争」という概念がなくなる。

なぜなら同業他社は、利益を奪い合うライバルではなく、同じ目的に向かう仲間とみなすようになるからだ。

その証拠に、ビュートゾルフは競合他社はいくらでも真似してかまわないという姿勢を明確に打ち出した。

さらに「ビュートゾルフで取り入れられている手法を教えてほしい」と競合他社にお願いされたとき、その依頼をすべて受け入れ、直接競合他社に訪問しアドバイスを行ったという。もちろん一切の報酬を要求しなかった。

一見業績が落ち込んでしまうのではないかと思われるが、実際のところ同社は見事に市場を切り開いていっている。

ビュートゾルフの創業者、ヨス・デ・ブロック氏は以下のように語っている。

自分たちのことを開放すればするほど有利な状況となって返ってくると私は強く信じています。オープンであれば、人々はいっそう友好的になってあなたを受け入れてくれるでしょうから。

ティール組織 p.328

 

どうすれば存在目的を見つけられるのか

では存在目的がまだ見つかっていない場合、どうやって見つければいいのだろうか。

本書では以下の質問に答えることが、存在目的の探求に役に立つと紹介されている。

  • この組織は、この世界で何を実現したいのか?
  • 世界はこの組織に何を望んでいるのか?
  • この組織がなかったら、世界は何を失うのか?

これらに答えていくことによって、組織が持つ存在目的の発見に寄与するだろう。

 

組織の人生は組織自身が決めるもの

存在目的という概念は、自主経営(セルフマネジメント)や全体性(ホールネス)と比べて、より今までにない考え方だと思うので、感覚をつかみづらいところがあるかもしれない。

本書では、存在目的は以下のようなものだと解説がある。

子供が生まれたとき、その子の人生をあなたが決めることはできませんよね。組織も一緒です。一度この世に生まれてしまった組織はもうあなたがコントロールできるものではありません。組織に寄り添い、組織が何のために生まれたのか?どこに向かおうとしているのか?これらを一緒に探求するということしか、あなたにはできないのです。

ティール組織 p.564

他人の人生を我々が決めることができないのと同じように、組織の人生も我々が決めることはできないのだ。

これまでになかった「組織は生命をもっている」という感覚を持つことができたら、我々のなかで新しいパラダイムシフトが起こるかもしれない。

ティール組織の全体像については以下の記事で紹介したので、興味があればご一読いただきたい。

関連記事:ティール組織とは何か。マネジメントが不要な組織の特徴をまとめた

 

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