ティール組織の自主経営(セルフマネジメント)とは?身につけるメリットを解説

ティール組織の自主経営(セルフマネジメント)とは?身につけるメリットを解説

どうも、ティール組織を実践している組織に所属しているだいち(@spountant)です。

マズローの「自己実現への欲求」に相当する組織といわれているティール組織は、仲間との信頼の上で成り立つシステムだ。

ティール組織で採用されているシステムは、自主経営(セルフマネジメント)と呼ばれている。

このページでは、セルフマネジメントの詳細の解説と、取り入れるメリットや方法を紹介していく。

 

自主経営(セルフマネジメント)とは、仲間との関係性のなかで動くシステム

セルフマネジメントとは「階層やコンセンサスに頼ることなく、仲間との関係性のなかで動くシステム」のことを指す。

セルフマネジメントは、トップダウンによる階層型の意思決定でも、メンバーの総意にもとづく意思決定でもない。

個人がどの個人に対しても権力を行使できる立場にないにもかかわらず、個人のだれもが強い権限を持っているシステムだ。

具体的には「助言システム」という意思決定方法を採用しており、それは意思決定をする際は関係者に助言を求め、最終的には自己決定するプロセスのことである。

最終的に自己決定するということは、代わりに意思決定してくれる上司がいないことを意味する。

社員を統制するための管理職ももちろんいない。

 

これだけ見れば今までにない自由があるように思えるが、自由の裏には責任がつきまとう。

一人ひとりが強い権限や自由を持つので、仲間を信頼していないと成り立たないシステムだともいえるだろう。

だからこそ「仲間との関係性のなかで動くシステム」と表現されるのだ。

 

自主経営(セルフマネジメント)を身につけるメリット

セルフマネジメントの環境で働くと、ものごとを自主的に進め、自由に職場の仲間たちに連絡をとり、何重にも及ぶ承認を待つことなく、素早い変化を起こすことができる。

仲間との信頼関係がいかに仕事のスピード感を生むかは、以下の記事で詳しく書いた。

関連記事:「信頼関係」が仕事のスピード感を圧倒的に高める理由は?

 

エネルギー供給会社AESの最高経営責任者であるデニス・W・バーキは、セルフマネジメントの利点について以下のように語った。

個人の責任を大きくすればするほど、業務改善の余地が大きくなるのです。(中略)そして何よりも、そうすれば仕事がとても楽しくなるのですよ。

ティール組織 p.148

このように信頼でつながった仲間と、個々人で大きな裁量を持ち合って仕事をすると、きっと仕事は楽しくなるはずだ。

 

自主経営(セルフマネジメント)の事例

セルフマネジメントの事例として、オランダ語で「地域看護」という意味のビュートゾルフ社について紹介したい。

ビュートゾルフでは、看護師は10~12名のチームに分かれ、一つのチームはあらゆる仕事を担当する。

セルフマネジメントを導入する前までは、部門ごとに仕事が分断されていたが、今では一つのチームが一気通貫してサービスを提供する方式だ。

そして看護師たちは、ケアサービスを顧客に提供するだけでなく、以下のようなこともすべて自分たちで決める。

  • 新しい患者を受け入れるかどうか
  • 休暇や休日のスケジューリング
  • オフィスをどこに借りるのか
  • どの医師や薬局と協力していくか
  • 生産性が落ちたときはどう修正するのか

このようにあらゆることを自分たちで必要に応じて決定していく。

 

同社では「何を大切にするか」も自分たちの心の声に従って決定する。

ビュートゾルフの看護師たちは、ときにコーヒーでも飲みながら患者と向き合い、患者の病状や趣味などを理解するためにじっくりと時間をかける。

患者は1人の人間として尊重され、患者側の気持ちや、人間関係、精神面など、あらゆる面を注意を払ってもらえる。

 

実際ビュートゾルフがセルフマネジメントを導入したことによる成果は、めざましいものがあったという。

同社が一顧客あたりに必要とした介護の時間はほかの介護組織よりも四〇パーセント近く少ないことが、二〇〇九年にアーンスト・アンド・ヤングが実施した調査で明らかになった。(中略)ほかの組織の患者に比べると、ビュートゾルフの患者たちが介護を受ける時間はわずか半分でありながら、病気から早く治り、しっかりと自立するのだ。

ティール組織 p.109

数値上でも高い成果を上げただけでなく、患者からは人間関係上の支えによって救われたという声がいくつもあったとのことだ。

 

自主経営(セルフマネジメント)を機能させるためには

セルフマネジメントを機能させるために重要ないくつかの基本ルールがある。代表的なものは以下のとおりだ。

  • 1チームのメンバーは12名を超えてはならない
  • 業務をメンバー間で幅広く分担する
  • 助言システム(意思決定をする際は関係者に助言を求め、最終的には自己決定するプロセス)で判断を下す
  • 毎年、仲間同士で相互評価する

具体的なルールはこれらのようなものがあるが、これらのルールを機能させるためにも個々人が「心理的オーナーシップ」を持てるかどうかが鍵となる。

心理的オーナーシップとは、担当する仕事を“自分自身の課題”と主体的に捉えて当事者意識を持つことを指す。

心理的オーナーシップという感情は、存在目的にかき立てられた内発的モチベーションによって育まれることもあるし、仲間からの励ましも効果があるだろう。

一ついえることは、権限を与えられたからといって、すぐに当事者意識が現れるものではないということ。

少しずつセルフマネジメントの慣行を取りいれていき、実験を繰り返すプロセスを経て、その感情は成長していく。

 

「統制」を手放す恐怖に打ち勝ち、「信頼」ベースの関係を構築していく

「統制」によって他人をコントロールできている感覚を手放すことは、ある程度の勇気が必要だろう。

その恐怖を乗り越え、信頼ベースで仲間と仕事をしていくことで、セルフマネジメントを実現できるはずだ。

ティール組織の全体像をおさらいしたい場合は、以下の記事を参考にしてほしい。

関連記事:ティール組織とは何か。マネジメントが不要な組織の特徴をまとめた

 

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