どうも、プロジェクトマネジメントを絶賛勉強中のだいち(@spountant)です。
「チームビルディングをしたいんだけど、どうすれば上手くいくだろう……」
「団結力を高めて、みんなで気持ちよくプロジェクトを進めていきたい」
仲間とプロジェクトを始動させたいけれど、何から始めればいいのかわからず立ち止まってしまうことはよくあること。
そういうプロジェクトの開始時にまず取り組みたいのがキックオフミーティングだ。
キックオフミーティングとは、何かのプロジェクトを始める際に行われるミーティングのことを指す。ちなみにケンブリッジでは「ノーミングセッション」と呼ぶこともある。
このページではチームリーダーに向けて、キックオフミーティングの進め方や決めておいたほうがいいことを、実例とともに紹介していく。流れは以下のとおり。
- 1.キックオフミーティングの目的を説明する
- 2.プロジェクトにおける「全体のwhy」と「個々のwhy」を共有する
- 3.期待値の交換をする
- 4.細かい役割を洗い出す(サブロールの決定)
- 5.大切にしたいルールを設けておく(グラウンド・ルールの決定)
- 0.キックオフミーティングの準備
目次
1.キックオフミーティングの目的を説明する
キックオフミーティングで最初に説明しておきたいのは、「そもそもなぜキックオフミーティングをするのか」についての意図だ。
キックオフミーティングを開催する理由は主に以下のとおり。
- 短時間で機能するチームを形成するため
- 各メンバーが自らの役割を理解しコミットするため
- お互いに対する役割の把握と、期待していることを交換するため
- メンバーのモチベーションを高めるため
あいさつ代わりに「これらの効果があるからキックオフミーティングを開催するんだよ」ということを伝えられれば、意義のある時間だと思って取り組むことができる。
2.プロジェクトにおける「全体のwhy」と「個々のwhy」を共有する
次に「このプロジェクトをなぜ行うのか」についての理解を全体で統一しておく。
「全体のwhy」を明確にしておくと、進むべき道が明確になる。
それだけでなく「全体のwhy」は、迷ったときの判断基準となる役割を果たす。
しっかり全体の目的を意思統一しておくことで、目の前のものごとを「やることbox」と「やらないことbox」にしっかり仕分けできるようになって、プロジェクトをスムーズに進めることができる。
そして全体のwhyだけでなく、「個々人がなぜこのプロジェクトにかかわるのか」も明確にしておくべきだ。
「個々のwhy」をお互いに知っておくと、それぞれの自己実現をサポートすることができ、メンバーは自己実現をとおしてモチベーションを高く保つことができる。
なので、全体の目的のなかでいかに個々人の目的を実現させていくか、がカギとなるだろう。
詳しくは以下の記事にまとめてあるので、興味があればぜひご一読いただきたい。
関連記事:良いチーム作りのために「全体の目的」と「個々の目的」を出し揃える
3.期待値の交換をする
期待値の交換とは、「誰に何をやってほしいかをお互いに共有すること」をさす。
「外向型のAさんには広報をやってほしい」
「内向型のBさんにはシステムづくりを担ってほしい」
「プロジェクトを進めていく上でこういう不安があるので、そのときはCさんに助けてもらいたい」
「途中の工程でDさんの力が必要だから、そのときは協力してほしい」
これらを全体に表明しておくことで、いざその場面になったときにスムーズに協力し合うことができる。
役割分担にあたってウェルスダイナミクス理論はとても役に立つので、もし役割分担で悩んでいるならぜひ以下の記事を読んでみてほしい。
関連記事:全員にウェルスダイナミクスの知識があるプロジェクトチームが最強~チーム作りをした具体的実例~
4.細かい役割を洗い出す(サブロールの決定)
キックオフミーティング時に、プロジェクトにおける細かいタスクについても役割分担しておくことがおすすめだ。
担当者が決まっていない宙ぶらりんのタスクがあると、時間が経つに連れ、そのタスクがじわじわとプロジェクトをむしばんでいく。
結局、時間がある人や能力のある人が一挙にそれを引き受けてしまい、それだと不平等感を抱えることにつながりねない。
なので最初から細かい役割までタスクを割り振っておくことで、みんなが最後まで気持ちよくプロジェクトに取り組める。
5.大切にしたいルールを設けておく(グラウンド・ルールの決定)
プロジェクトにおけるルールをグラウンド・ルールと呼ぶ。
あらかじめグラウンド・ルールを決めておくことで、「人を注意しやすくなる」という効果がある。
たとえば、ダラダラと話す上司がいたとしよう。
みんなの時間を奪っているという意識がなく、会議中に話したいことをダラダラと話している。
注意をすべき案件だが、上司ということもあり個人的に指摘するのは気が引けてしまう……
そこで「結論から話すこと」というグラウンド・ルールがあった場合を想定してみよう。
上司がダラダラ喋り始めたら、「先輩、グラウンド・ルールにもあったと思うのですが……」という前置きで柔らかく注意する。
グラウンド・ルールがあることで、個人的な指摘が「チームとしての指摘」に変わり、注意が断然しやすくなり、結果として風通しがよくなるだろう。
セッションでのルールだけでなく、楽しくするルールなども決めておくといい。
ケンブリッジで実践されているのは、会議中にピーナッツを食べること。
このピーナッツルールには、堅苦しい空気をなくす効果があるらしい。
0.キックオフミーティングの準備
一連の流れを見たところで、チームリーダーが事前に準備しておきたいことを確認していこう。
- プロジェクト全体の目的
- 細かい役割の洗い出し
- 最低限つくっておきたいグラウンド・ルール
このあたりを事前に資料などにまとめておき、スムーズにキックオフミーティングを進められるようにしておきたい。
キックオフミーティングでチームの士気が大きく変わる
- 1.キックオフミーティングの目的を説明する
- 2.プロジェクトにおける「全体のwhy」と「個々のwhy」を共有する
- 3.期待値の交換をする
- 4.細かい役割を洗い出す(サブロールの決定)
- 5.大切にしたいルールを設けておく(グラウンド・ルールの決定)
キックオフミーティングが上手くいけば、メンバーの意識が統一され、プロジェクト成功率も格段にあがるはず。
キックオフミーティングの最後には、一人ひとりミーティングに対する感想を述べる時間(チェックポイントという)をとるといい。
チーム間の結束がより強まる効果があるので、もし詳細を知りたいなら以下の記事を確認してみてほしい。
関連記事:1分間の会議振り返り手法「チェックポイント」の効果がすごかった。~実例とともに~
参考文献
プロジェクトを変える12の知恵 -ケンブリッジ式ファシリテーション-